分析事例
AIペルソナインタビューとテキストマイニング
生成AIの進化は目覚ましく、架空のペルソナを作りインタビューをする事例が増えてきています。
一方で、「実在する人」をベースにペルソナを作成する方が効果的だという声も聞かれるようになっています。
マイボイスコムでは、日本最大級の自主調査「アンケートデータベース(MyEL)」を保有しています。
このMyELのデータのうち、
2012年以降に実施した約2,200本のモノ・サービス・コトのアンケートデータを活用して、
AI分析サービス「CotoEL」を開発しました。
今回は、CotoELの機能の1つである「ペルソナ分析」を用いて、
実在するモニター個人の属性情報とアンケート回答情報から作成したペルソナ100人分のペルソナにインタビューを行い、
その結果をテキストマイニングによって分析しました。
分析手順
以下の4ステップで分析しました。
1.インタビュー対象者を設定
分析の軸として使用するため、
性(男女)・年代(20代~60代)・居住地域(東日本・西日本)で
インタビュー対象者を設定しました。
2.生成AIツール「CotoEL」にて、1.にあてはまるペルソナ(n=1)を生成
CotoELの画面上で、割付に沿った条件を設定し、
インタビューしたい内容として「好きなスキンケアブランドについて」と入力後、
計100件のペルソナを生成。

3.100件のペルソナに同様のインタビューを実施し、データを整備
プロンプトは下記の通りです。
(1)「好きなスキンケアブランドはなんですか?」
(2)「最も好きなスキンケアブランドとその理由を教えてください。」

(2)の回答(ブランド名/理由に分割)とその他属性情報(性別・年齢など)を一覧化しました。

4.データをTextVoiceで分析
データをTextVoiceにアップロード。データ内容によりますが、1万件程度であれば数分で分析できます。
分析概要
設問: | 最も好きなスキンケアブランドとその理由 |
---|---|
データ取得経路: | CotoELのペルソナ分析で出力したデータ |
回答件数: | 100件 |
割付: |
![]() |
●TextVoiceでの分析結果
【出現頻度が高いワード(類義語)】
※アウトプットの各ピース内に類義語が含まれています。
最初に全体の傾向をワードクラウド機能から分析します。
肌、使用感、製品、効果、重視、価格、品質 といったワードが上位にきています。

ワードクラウドの表示をマップ表示に切り替え、
最も好きなスキンケアブランドとしてあがった上位3ブランドを比較します。
マップ表示では、各ブランドのトップ10のワードで比較することが可能です。

資生堂では、製品、品質、魅力
キュレルでは、乾燥肌
無印良品は、成分、シンプル、手頃
といった3ブランド間での、違いが見受けられます。
次に、最大6つのワードのつながりからおおよその内容を把握できるサマライズ機能を使って、どのような意見が多いのか見ていきます。
【関連性の強いワードの組合せ】
※最大6ワードの組合せでランキングします
※単語だけでは見えにくい発言の背景や理由などを見たいときに有効な分析です
・価格の手頃感
・品質や効果、肌への相性
といった理由が多いです。

【要注目な意見】
※結束度:ピースの共起関係を分析した「ピースのつながりの強さ」の合計値
サマライズの分類をフォーカス(出現量と結束度)で出力すると、
出現量も結束度も高い(無視できない重要な)意見として
「手頃、価格、美容予算、良い」といったグループが出てきます。
さらに、ここで注目していただきたいのが、
出現量は多くないが、結束度が高い(注目すべき意見)
「ドラッグストア、しやすい、買える、入手」と
「化粧水、揃えられるの、乳液、シリーズ、クリーム」です。
価格だけでなく、”ドラッグストアでの購入しやすさ”、
”化粧品、乳液、クリームをシリーズ販売している”ことが
好きなスキンケアを選ぶ際の意見として注目してもよさそうです。

続いて、属性の比較として、セグメント分析をご紹介します。
【セグメント分析】
今回は、年代ごとの比較をしてみます。
年代の特徴として、
20代では、「手頃、価格、美容予算、良い」といった価格や予算の手頃感、
40代では、「美容予算、継続、タイプ、スキンケア、バランス」や「季節、乾燥、高く、キュレル、乾燥肌、クリーム」
といった、価格だけでなく品質や使用感とのバランス
60代では、「理解、男性、購入、製品」や「デパート、丁寧、カウンセリング」
といった、個人の状況に合わせたサービスや付加価値
などが見受けられます。
年代があがるにつれ、
価格や予算→効果・品質・技術力→付加価値(サービスなど)
という傾向があるとおもわれます。



最後に
今回の分析した、好きなスキンケアブランドの理由において、
全体的に「価格や手頃感」「品質や肌との相性」などの意見が目立ちます。
しかし、「ドラッグストア」などの販売チャネルや、
「シリーズ化」などの販売方法なども、好きな理由としてあがってきており、
無視できない理由といえそうです。
さらに、年代ごとの比較では、
若年層には「価格」、中年層には「効果・品質」、高年層には「付加価値」
が訴求ポイントとして効果的になり得そうです。
若年層をターゲットとした商品では、直販などでコストを抑えることで、販売価格を調整、 中年層には、効果を早く実感していただくため、小売店などでサンプル品の提供、 高年層には、商品購入検討時の丁寧なカウンセリングなどの手厚いサービスの提供、などが ブランドの好意度を上げる効果的なアプローチになるかもしれません。
「CotoEL」のペルソナ分析は、実在するモニター個人の属性情報とアンケート回答情報から
ペルソナを作成しているため、リアルな分析が可能です。
さらに、ペルソナにインタビューした結果を「TextVoice」で分析することで、
発言の傾向を把握でき、理解をより深めることができます。
商品・サービスのターゲット理解を深める際などに、
ぜひ、生活者意識行動分析&ペルソナ分析AIサービス「CotoEL」
テキストマイニングツール「TextVoice」をご活用ください。