分析事例
VOC分析(Voice of Customer)
多くの企業では、自社の商品やサービスに対する問合せなどのVOCデータを分析し改善していくことで満足度の向上につなげています。一方で問合せデータを手作業で分析するには労力がかかり、十分に活用できていないという課題をよくお聞きます。
TextVoiceは、アンケートデータだけではなく、問合せなどのVOCデータも分析することができます。
今回は、VOC分析の事例をご紹介します。
分析手順
以下の3ステップで分析しました。
1.分析したいデータを用意
一般的に企業のお客様相談室などに問合せデータが蓄積されているかと思いますが、今回は
生成AIのChatGPTに「電気機器メーカーへの問合せ」に関する問合せを生成してもらい
それを分析していきます。
(生成データのイメージはこちら)
2.データをカテゴリーに分類
生成AIからさまざまな問合せ内容が作成できました。大まかには6つのカテゴリーに分類できたため、 各カテゴリーごとにさらに詳細な問合せ内容を作ってもらいました。 分類したカテゴリーは以下の通り。
1)エラー・故障
2)解約
3)仕様確認
4)請求書
5)納期
6)要望
3.データをTextVoiceで分析
データをTextVoiceにアップロード。データ内容によりますが、1万件程度であれば数分で分析できます。
分析概要
データ内容: | 電気機器メーカーの問合せ(VOC) |
---|---|
データソース: | ChatGPTが生成したデータ |
データ量: | 475件 |
●TextVoiceでの分析結果
【出現頻度が高いワード(類義語)】
最初に全体の傾向をワードクラウド機能から分析します。
請求書、故障、内訳、解約、納期 といったワードが上位にきています。
・請求書の内訳について
・故障時の対応について
・解約について
・納期について
それでは、一番多かった「請求書」について詳細をみていきます。
各データは内容から6つのカテゴリーに分類しましたが、「請求書カテゴリー」の
データに絞ってどんなワードが多いのか確認します。
請求書以外に多いワードは、内訳 /サービス /プロジェクトでした。
次に、最大6つのワードのつながりからおおよその内容を把握できるサマライズ機能を使って、どのような意見が多いのか見ていきます。
【関連性の強いワードの組合せ】
※最大6ワードの組合せでランキングします
※単語だけでは見えにくい発言の背景や理由などを見たいときに有効な分析です
・サービスごとの内訳を説明してほしい
・プロジェクトの内訳を理解したい
といった意見が多いです。
請求書の内訳についての問合せが多く、プロジェクトやサービス別に原価管理していることが考えられるため
請求明細書に記載する内容を改善することで満足度の向上、問合せ減による業務効率化につなげられるか
と思います。
以上のように、問合せで多い内容を掘下げて分析していくことで、どんな課題があるのかが
見えてきます。課題が明らかになれば改善策の立案にもつながりやすくなります。
また、VOC分析は、時系列の推移から新たな気付きを得られるので、毎日、毎週、毎月など
定期的に行う必要があります。
【時系列分析】
たとえば、先月と今月のワードのランキングを比較した時に、
「故障」が急増していることがわかります。
故障が発生している原因を確認するには原文が参考なります。
【原文】
故障に関する原文データによって何が原因なのか具体的に把握することができます。
電源に問題がある内容が多いため、電源の改修が必要であることが見えてきました。
これまでに紹介した分析のほかに代表的なものとして、ポジネガ分析がございます。
VOC分析でよく使わますが問合せ全体の中でネガティブな意見がどの程度あったのか、
それはどんな内容かを確認し改善に役立てていきます。
ポジネガ分析についてはまたの機会にご紹介します。
最後に
VOC分析は次のような効果を期待できますが、手作業による分析は負担が大きいので、
ツールをうまく使ってVOCデータを活かしていきましょう。
・顧客が不満に感じていることや欲しいと思っていることに対応できる
・顧客はその企業に対しロイヤリティが高まる
・社内共有によって、従業員は顧客起点のマインドが高まる