分析事例
大手スーパーの不満に関する調査
私達の生活に身近なスーパーですが、利用者の不満としてどんな声があるのでしょうか。当社では「大手スーパーのブランドイメージに関する調査」を16回実施しています。そのうちの過去3回分(第14回),(第15回),(第16回)の調査で聴取した大手スーパーへの不満の自由回答データを弊社のテキストマイニングツール「TextVoice」で分析したので、その結果をご紹介します。
調査概要
| 調査対象： | 当社のアンケートモニター |
|---|---|
| 調査方法： | インターネット調査（ネットリサーチ） |
| 調査時期： |
第14回：2018年5月1日～5月5日 第15回：2020年5月1日～5月5日 第16回：2023年5月1日～5月5日 |
| 回答数： |
第14回：10,570名 ※その内、大手スーパーの不満点(自由記述回答)は2,742件 第15回：10,294名 ※その内、大手スーパーの不満点(自由記述回答)は3,088件 第16回：9,594名 ※その内、大手スーパーの不満点(自由記述回答)は3,492件 |
| 調査テーマ： |
大手スーパーのブランドイメージに関するに関する調査（第14回） 大手スーパーのブランドイメージに関するに関する調査（第15回） 大手スーパーのブランドイメージに関するに関する調査（第16回） |
| 自由記述設問： | (大手スーパーを利用する方)あなたが、全国チェーンの大手スーパーについて、不満点、改善してほしい点があれば、具体的にお聞かせください。 |
●各調査で特徴的な意見
各調査回ごとに特徴的な意見を抽出しました。こちらはセグメント機能を使って分析しています。
※最大６ワードの組合せで分類し、その調査回に特徴的な意見を抽出
※発言の量ではなく、他の調査回と比較し特徴的な意見を見つけるのに有効
●テキストマイニングの結果
コロナ前
第14回調査(2018年5月)で特徴的な意見
・休日の駐車場混雑・無料化
・国産品の取り扱い増加
・店員サービスへの改善
駐車場混雑や有人対応への不満が挙げられていました。
コロナ渦
第15回調査(2020年5月)で特徴的な意見
・レジの混雑・待ち時間
・セルフレジの増設
・ネットスーパーの品切れ・欠品
2020年5月は新型コロナウイルス流行により、緊急事態宣言が発出された時期でもあります。
巣ごもり特需によりスーパーの利用が増えレジの混雑が深刻化、またコロナ禍で普及が広まったネットスーパーやセルフレジに対する不満や要望も挙げられています。
コロナ明け
第16回(2023年5月)で特徴的な意見
・PB商品の品質改善と低価格化
2023年5月はPB商品への要望が特徴的でした。
2022年頃より相次いだ日用品や食料品の値上げにより節約志向が高まり比較的安価なPB商品の購入や検討機会が増えたことに起因するものかと推察されます。
●第16回調査(2023年5月)の分析結果
直近の第16回(2023年5月)の調査結果に関して、年代層ごとに特徴的な意見を抽出しました。
こちらもセグメント機能を使って分析しています。
20～40代に特徴的な意見
・郊外地域への出店
・セルフレジの増設
・大幅な商品価格の値上げ
20～40代では、郊外エリアへの積極的な出店や、レジの混雑を軽減するためセルフレジの更なる増設を求める声が特徴的でした。
また昨今の物価高騰による値上げに関しても、段階的に行って欲しいという意見もありました。
50～70代に特徴的な意見
・様々な変化に対する不満
▼代表的な原文
・不満はないが、決済の方法が各店舗、色々な種類も多くあるので、紛らわしい。
・カードが色々あって使い勝手が悪い。
50～70代では、決済方法が各店舗で異なることなどに対して複雑で紛らわしいといった不満の声が挙がりました。
様々な決済方法の導入に関しては、年代によって意見や反応が異なるため両者の声に耳を傾けながら推し進める必要がありそうです。
まとめ
大手スーパーに対する不満の声として、コロナ前は駐車場やサービス面に対する意見が多かったですが、コロナ禍においてはネットスーパーやセルフレジといった新しいサービスへの不満、コロナ明けにおいてはPB商品に対する要望が目立ちました。
年代層別に比較した際には、20～40代ではレジの混雑を緩和するためセルフレジの増設の要望があった半面、50～70代では様々な決済方法が複雑であるいった声が挙がりました。
市況や顧客の属性によっても不満に感じる点は異なるため、利用者の声に日頃から耳を傾け、改善する必要がありそうです。