分析事例

2020年8月7日

夏の過ごし方について

7月22日(水)よりGo Toキャンペーンが開始され、新型コロナウイルス感染症による外出・国内観光の需要低迷の回復に期待が寄せられる一方、緊急事態宣言の解除後、国内での新型コロナウイルス新規感染者が増加しています。この状況下で消費者は夏休みをどのように過ごすのか、当社では『夏の過ごし方に関するアンケート調査』を実施し、今年の夏をどのように過ごすかに関する6,057件の自由回答データを、弊社のテキストマイニング(TextVoice)で分析した結果を紹介します。

調査概要

調査対象: 当社のアンケートモニター
調査方法: インターネット調査(ネットリサーチ)
調査時期: 2020年07月01日~07月05日 (Go To キャンペーン開始決定前に調査実施)
回答数: 10,034件
調査テーマ: 夏の過ごし方に関するアンケート調査
自由記述設問: 「あなたは今年の夏、どのように過ごす予定ですか。過ごし方や場所、例年と変わることなど、具体的にお聞かせください。」(自由記述件数:6,057件)
※今回のテキスト分析では、上記の自由記述のテキストデータを、
1)「する予定」を挙げているもの(1,292件)
(「行く」「過ごす」などが回答に含まれているグループ)
2)「やめた予定」を挙げているもの(2,359件)
(「やめた」「中止」などが回答に含まれているグループ)
の2つのグループに分けて分析しました。それぞれの分析結果について下記の通りご紹介します。

●テキストマイニングの結果

1)「する予定」のテキスト分析(1,292件)

【出現頻度が高いワード(類義語)】
最初に回答全体の傾向をワードクラウドの機能により分析をします。
※文字の大きさが大きいものほど出現回数が多いワード(=意味でまとめた類義語)
※同じような意味を持つ単語や表記ゆれはTextVoiceの内蔵辞書が自動でまとめます。

出現頻度が高いワード(類義語)

〇具体的な過ごし方、行き先に関する出現頻度が高いワード
全体のうち、具体的な夏の過ごし方に関する特徴的なワードについて確認しました。

具体的な過ごし方、行き先に関する出現頻度が高いワード

『自宅でのんびりと過ごす』など、「自宅」に関する記述が多くみられ、新型コロナウイルスによる外出自粛の影響が大きく出ていると考えられます。

外出・旅行をする場合は『近場の温泉に行く』『旅行の行き先が近場になりそう』『日帰りで近場』など、遠出をせず近場を選択するという記述が多くみられました。「宿泊」を伴う旅行においても『ホテル内でのんびり過ごす』『部屋数の少ない宿泊施設を選ぶ』など、人と触れ合わない方法を選択するといった声がみられます。

「帰省」「墓参り」については『帰省や墓参り以外は自粛する』といった意見や『帰省をするか迷っている』とコロナの状況を踏まえて検討する意見もありました。

【年代ごとに特徴的なワードの抽出】
年代ごとに出現頻度の高い上位10個のワードを「マップ表示」の機能で比較し、回答者のコメントで特徴のあるワードを抽出しました。
その結果、年代別に特徴的なワードを抽出してみると、20代は「友人」「会う」、30代は「公園」、40代は「子供」「帰省」、50代は「買い物」、60代は「孫」「温泉」が特徴として見ることが出来ました。

年代ごとに特徴的なワードの抽出

2)「やめた予定」のテキスト分析(2,359件)

【出現頻度が高いワード(類義語)】
「する予定」と同様、最初に回答全体の傾向をワードクラウドの機能により分析をします。

出現頻度が高いワード(類義語)

〇やめた予定についての出現頻度が高いワード
全体のうち、とりやめた予定がどのようなものかに関する特徴的なワードについて確認しました。

やめた予定についての出現頻度が高いワード

過ごし方の分析において「自宅」で過ごす、が多くみられたのと関連し、新型コロナウイルスの影響により、「外出」そのものを控える、という意見が多く出ています。
「旅行」については「遠出」「宿泊」「海外旅行」「県外」のような、近隣地域から離れた場所への旅行、宿泊を伴う旅行を控えるという声がみられました。
「イベント」「お祭り」「花火大会」については人混みを避けたいという意見だけでなく、そもそも中止になってしまった為に予定がなくなった、という意見もありました。
「東京」について『東京で第二波も来ているようなので旅行は控える』『東京など人の多い所には行かない』という行き先としての東京を避ける声や、『東京から帰省していいのか不安があり悩んでいる』といった、東京在住者が帰省等を避ける声がみられました。

〇やめた要因についての出現頻度が高いワード
「全体のうち、予定をとりやめた要因に関する特徴的なワードについて確認しました。

やめた要因についての出現頻度が高いワード

「コロナウイルス」「感染」の影響による予定の中止や、「人混み」「集まるところ」「3密」を避けた夏を過ごすといった意見が多くみられました。
「休み」では『コロナ期間中に仕事が出来なかった分、休みがとれなくなった』『子供の夏休みが短くなった』など、新型コロナウイルスによって休みの取り方に影響が出て予定を入れられなくなったという声が上がりました。

全体として新型コロナウイルスの影響により、自主的に外出・密を避け、自宅で過ごしたり、出かけるとしても近場を選んだりする傾向が強くなっています。