分析事例

2020年7月27日

家での過ごし方について

外出自粛要請が出されるなど、新型コロナウイルス感染症の蔓延は、私たちの生活スタイルにも少なからず影響を及ぼすこととなりました。当社では『家での過ごし方に関するアンケート調査』を実施し、外出自粛要請が出された2020年3~5月頃の『家での過ごし方』に関する5,404件の自由回答データを元に、弊社のテキストマイニング(TextVoice)で分析した結果を紹介します。

調査概要

調査対象: 当社のアンケートモニター
調査方法: インターネット調査(ネットリサーチ)
調査時期: 2020年06月01日~06月05日
回答数: 10,301件
調査テーマ: 家での過ごし方に関するアンケート調査
自由記述設問: 外出自粛要請が出された今年の3~5月頃、あなたの家での過ごし方で、それ以前と比べて変わったことはありましたか。増えたこと・減ったことや物、生活スタイルなど、どのようなことでも結構ですので、具体的にお聞かせください。(自由記述件数:2,019件)
※今回の分析では、「・・・が増えた」「・・・が減った」など、明確に変化の言及がみられたものを使用しています。 増えたもの(1,214件)と減ったもの(805件)それぞれの分析結果を下記の通りご紹介します。

●テキストマイニングの結果

①「増えたもの」の分析(1,214件)
【出現頻度が高いワード(類義語)】
最初に回答全体の傾向をワードクラウドの機能により分析をします。
※文字の大きさが大きいものほど出現回数が多いワード(=意味でまとめた類義語)
※同じような意味を持つ単語や表記ゆれはTextVoiceの内蔵辞書が自動でまとめます。

出現頻度が高いワード(類義語)

〇出現頻度が高いワード:
(1位)家(332件/22.5%)
(2位)家族(249件/16.9%)
(3位)テレビ(88件/6.0%)
(4位)食事(82件/5.6%)
(5位)在宅での仕事(74件/5.0%)
(6位)インターネット(69件/4.7%)
(7位)掃除(65件/4.4%)
(8位)体重(54件/3.7%)
(9位)料理(52件/3.5%)
(10位)読書(44件/3.0%)

『家にいることが増えた』『家族で過ごす時間が増えた』など、「家」と「家族」に関する記述が多くみられました。また、余暇の過ごし方としては、「テレビ」「インターネット」「読書」が増えている様です。
「食事」では、『自宅での食事が増えた』『食べる量が増えた』といった声が挙がり、また、「料理」では、『料理やお菓子作りをする時間が増えた』『料理のレパートリーが増えた』といった記述がみられました。
外出自粛要請が出ている中、食事を家で済ませるようにしていること、また、外食の代わりにとどまらず、新たな時間の使い方として料理をするようになったことが窺えます。

【性別ごとに特徴的なワードの抽出】
<男性><女性>ごとに、出現頻度の高い上位10個のワードを「マップ表示」の機能で比較し、回答者のコメントで特徴のあるワードを抽出しました。

性別ごとに特徴的なワードの抽出

●<男性>の特徴
「読書」「パソコン」「散歩」が特徴的なワードとして出現し、『本を読む時間が多くなった』『パソコンをいじる時間が増えた』『子どもと散歩する時間が増えた』といった声が挙げられました。

●<女性>の特徴
「料理」「ストレス」「掃除」が特徴的なワードとして出現し、『料理を作ることが増えた』『ストレスが増えた』『掃除をする回数が増えた』といった声が挙げられました。

②「減ったもの」の分析(805件)
【出現頻度が高いワード(類義語)】
「増えたもの」と同様、最初に回答全体の傾向をワードクラウドの機能により分析をします。

出現頻度が高いワード(類義語)

〇出現頻度が高いワード:
(1位)外出(191件/19.6%)
(2位)外食(151件/15.5%)
(3位)買い物(116件/11.9%)
(4位)旅行(63件/6.5%)
(5位)運動(54件/5.5%)
(6位)店舗(50件/5.1%)
(7位)友人(43件/4.4%)
(8位)仕事(36件/3.7%)
(9位)車(25件/2.6%)
(10位)飲み会(22件/2.3%)

「外出」「外食」「旅行」など、外に出かけることが減ったという記述が多くみられました。緊急事態宣言発令の影響等により、外出を控えていることが窺えます。
「店舗」では、『スーパーにもあまり行かなくなった』『美容院に行かなくなった』といった声が挙がりました。
娯楽に限らず、食料品の買い出しなど、生活に直結する部分でも外出が減っている様です。
「友人」では、『友人との会食が減った』『友達を気楽に呼べなくなった』等の記述がみられ、「車」では、『車の運転頻度が減った』『他県へのドライブがなくなった』といった声が挙がりました。

【性別ごとに特徴的なワードの抽出】
<男性><女性>ごとに、出現頻度の高い上位10個のワードを「マップ表示」の機能で比較し、回答者のコメントで特徴のあるワードを抽出しました。

性別ごとに特徴的なワードの抽出

●<男性>の特徴
「車」「飲み会」が特徴的なワードとして出現し、『車での外出が減った』『飲み会がなくなった』といった声が挙げられました。

●<女性>の特徴
「出費」「家族」が特徴的なワードとして出現し、『出かけることがなかったので出費がかなり減った』『孫に会いに行けなくなった』といった声が挙げられました。

外出自粛によって家で過ごすことが多くなってきた中、「増えたもの」「減った」ものに、性別による特徴がみられました。
<男性>は「趣味」に関する増減が、<女性>は「家庭」に関する増減が特徴といえる様です。
特に「増えたもの」に関し、<女性>に特徴的なワードとして「料理」「ストレス」「掃除」が出現していることから、家族の在宅による家事負担の増加が示唆されます。