分析事例

2020年5月27日

在宅勤務・テレワークという働き方について

新型コロナウイルス感染症の拡大により在宅勤務・テレワークに取り組む企業が増えています。そのため、当社では『在宅勤務・テレワークに関するアンケート調査』を実施し、『在宅勤務・テレワークという働き方を進めることについてどう思うか』に関する6,712件の自由回答データを、弊社のテキストマイニング(TextVoice)で分析した結果を紹介します。

調査概要

調査対象: 当社のアンケートモニター
調査方法: インターネット調査(ネットリサーチ)
調査時期: 2020年05月01日~05月05日
回答数: 10,097件
調査テーマ: 在宅勤務・テレワークに関するアンケート調査
自由記述設問: 在宅勤務・テレワークという働き方を進めることについて、「よいと思う」「よいと思わない」「どちらともいえない」とお答えいただきましたが、どのような点からそう思いましたか。具体的にお聞かせください。(自由記述件数:6,712件)

●在宅勤務・テレワークについて、どう思うか(自由設問の回答者のみを集計)
「よいと思う・まあよいと思う」が一番多く58.7%、「どちらともいえない」が33.1%、「よいと思わない・あまりよいと思わない」が8.0%という結果になりました。(自由記述設問の回答者のみを集計)

在宅勤務・テレワークについて、どう思うか

●テキストマイニングの結果
【出現頻度が高いワード(類義語)】
最初にワードクラウドの機能で頻出語のランキングを確認しました。
※文字の大きさが大きいものほど出現回数が多いワード(=意味でまとめた類義語)
※同じような意味を持つ単語や表記ゆれはTextVoiceの内蔵辞書が自動でまとめます。

1.「よいと思う・まあよいと思う」と回答

「よいと思う・まあよいと思う」を選択した人のコメントで出現頻度が高いワード

〇「よいと思う・まあよいと思う」を選択した人のコメントで出現頻度が高いワード:
・できる(1,098件/23.5%)
・通勤(918件/19.7%)
・仕事(854件/18.3%)
・働き方(720件/15.4%)
・良い(595件/12.7%)
・時間(427件/9.1%)
・無駄(349件/7.5%)
・テレワーク(343件/7.3%)
・多様(304件/6.5%)
・必要(272件/5.8%)

(肯定的な方のコメントの特徴)
よいと思うと回答した人の特徴には、「通勤時間が省けることで自由な時間がふえる」といった時間的なメリットや「多様な働き方があってもいい」といった働き方に関する意見が多くみられました。
少数意見には、「時代の流れ」といった意見もみられました。

2.「どちらともいえない」と回答

「どちらともいえない」を選択した人のコメントで出現頻度が高いワード

〇「どちらともいえない」を選択した人のコメントで出現頻度が高いワード
・仕事(515件/20.5%)
・できない(336件/13.3%)
・テレワーク(306件/12.2%)
・できる(289件/11.5%)
・働き方(280件/11.1%)
・わからない(241件/9.6%)
・難しい(209件/8.3%)
・良い(195件/7.7%)
・悪い(160件/6.4%)

(どちらともいえない方のコメントの特徴)
どちらともいえないと回答した人の特徴には、「自分の職種ではできない・経験がないから分からない」といったテレワークができる業態でない人や、経験がない方の意見が多くみられました。
少数意見には、「メリハリがない」や「不公平感がある」といった意見もみられました。

3.「よいと思わない・あまりよいと思わない」と回答

「よいと思わない・あまりよいと思わない」を選択した人のコメントで出現頻度が高いワード

〇「よいと思わない・あまりよいと思わない」を選択した人のコメントで出現頻度が高いワード
・仕事(152件/24.7%)
・できない(69件/11.2%)
・難しい(64件/10.4%)
・テレワーク(59件/9.6%)
・できる(50件/8.1%)
・働き方(43件/7.0%)
・コミュニケーション(35件/5.7%)
・自宅(32件/5.2%)
・家族(31件/5.0%)

(否定的な方のコメントの特徴)
よいと思わないと回答した人には、「社員間のコミュニケーションがとりにくい」や「家庭内での仕事環境、家族への負担が大きい」といった意見が多くみられました。
少数意見には、「セキュリティが不安」や「通信費が増える」といった意見もみられました。

【特徴的なワードの抽出】

続いて出現頻度の高い上位10ワードを「マップ表示」の機能で比較して、「よいと思う」「どちらともいえない」「よいと思わない」の回答者のコメントで特徴のあるワードを抽出しました。

特徴的なワードの抽出

その結果、「よいと思う」という肯定派では、「時間」、「無駄」、「必要」、「通勤」、「多様」の5つのワードが特徴として現れており、「時間や通勤の無駄が省けるのが良く、今後は多様な働き方が必要になる。」といったことが特徴として読み取れました。

また、「どちらともいえない」の中間派は、「自分」、「悪い」、「わからない」の3つのワードが特徴で、中身を読むと自分の仕事では出来ないや、経験がなくて分からないという意見が多いようです。

そして、「よいとは思わない」という否定派では、「コミュニケーション」、「自宅」、「会社」、「家族」の4つのワードが特徴として抽出でき、「自宅でのテレワークだと会社よりもコミュニケーションが取り難くて、家族の負担も大きい。」といったことが要因として見られる結果となりました。

通勤や時間の無駄が省けることや多様な働き方が必要という肯定的な意見がある一方で、テレワークでのコミュニケーションの取り方が難しいことや家族の負担が増えることを懸念する意見もあり、今回の新型コロナウイルス感染症での在宅勤務の経験を踏まえて、これからの多様な働き方が促進されることが推測される結果となりました。